【図解あり】コンデンサ故障の原因と対策事例 15選

はじめに

エーアイシーテックのコンデンサは、製品の設計と製造に厳しい品質管理と安全基準を適⽤しています。そしてコンデンサをより安全にお使いいただくために、お客様には使⽤上の注意事項をお守りいただき、適切な設計や保護⼿段(保護回路の設置など)をご採⽤いただくようお願いしております。しかし、現在の技術⽔準ではコンデンサの故障をゼロにすることは困難です。

本編ではコンデンサを適切にご使⽤いただくために、コンデンサの故障の現象と原因、対策の事例をご説明します。

目次


コンデンサにこんな症状が見られたら

コンデンサが故障すると、直流で電荷を溜めたり、ノイズやリプル電流を取り除いたりする基本的な機能を失います。最悪の場合にはコンデンサが発火して火災に至る危険もあります。

コンデンサが次のような状態になった場合は故障です。ただちに電源を遮断し適切な対応が必要です。

  1. ケースが膨張している(膨らんでいる)
  2. ケースに亀裂がある
  3. ケースと封口部との間に隙間がある
  4. 圧力弁が作動した(圧力弁が開いた)
  5. ケースが破裂した
  6. 熱い、発熱している
  7. が出ている
  8. 液漏れしている
  9. 異音が出ている
  10. 異臭が出ている

また故障したコンデンサの外観に異常が⾒られなくても、コンデンサの取り扱いには注意が必要です。とくにコンデンサに残留した電荷による感電*1を防⽌する対策、電解液*2の付着や蒸気吸⼊を防ぐ対策は⼤切です。コンデンサが故障すると、直流で電荷を溜めたり、ノイズやリプル電流を取り除いたりする基本的な機能を失います。最悪の場合にはコンデンサが発⽕して⽕災に⾄る危険もあります。

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コンデンサの壊れ方(故障モードと要因)

コンデンサには主に以下の3つの故障モードがあります。

① コンデンサの抵抗(インピーダンス)が無限大になるオープン(開放)故障
② 絶縁がなくなり直流電流を通すショート(短絡)故障
③ 容量や損失などのコンデンサの特性が規格を超えて変化する故障

コンデンサが故障すると、直流で電荷を溜めたり、ノイズやリプル電流を取り除いたりする基本的な機能を失います。最悪の場合にはコンデンサが発⽕して⽕災に⾄る危険もあります。

どの故障が起こりやすいかはコンデンサの種類によって異なります。アメリカIITRIの資料*3では、コンデンサごとの相対的な故障モードの発⽣を表1のようにまとめています。また、マイカコンデンサやタンタルコンデンサでは使⽤開始から間もない期間で発⽣する初期故障が多く、アルミ電解コンデンサでは摩耗故障が起こるケースが多くなります。またフィルムコンデンサでは、⼀時的なショートが⽣じてもその⽋陥を⾃⼰回復させて、引き続き動作する機能があります。

コンデンサごとの故障モードの分類と発生頻度(相対値)

オープン(開放)故障

コンデンサがオープン故障すると、回路が完全に切り離されてしまいます。たとえば、電源の平滑回路に⼤容量のコンデンサを使うと⼤波のような電圧波形*4を平坦な直流電圧にできますが、コンデンサがオープンになると、⾼い電圧が回路に印加されて半導体が故障する場合があります。

オープン故障の要因

オープン故障の原因は主に断線や抵抗の著しい増⼤です。これらはコンデンサ外部端⼦と配線との接続部分で多く発⽣します。

たとえば、コンデンサを基板に実装したとき、外部端⼦に強いストレスが加わると断線してオープンになる可能性があります(図1aの⾚で⽰した部分)。

図1a 外部端子が断線した状態
図1a
外部端子が断線した状態

またコンデンサの内部にある素⼦と外部端⼦をつなぐ内部の配線が切れたり、接続部分の抵抗が⼤きくなるとオープン故障になります(図1bの⾚の破線で⽰した部分)。

外部端⼦、内部の配線、構造はコンデンサの種類によって異なるため、さまざまなオープン故障のタイプがありますがコンデンサ使⽤時のほか基板に実装する時や輸送時の振動や衝撃、機器の基板上への配置などにオープン故障の要因が潜んでいます。

図1a、1bはスナップイン形アルミ電解コンデンサの構造図です。

図1b 内部端子が断線した状態
図1b
内部端子が断線した状態

ショート(短絡)故障

コンデンサがショート故障になる(図2)と容易に電流が流れて電荷を溜めることができなくなります。たとえばリプル電流やノイズを除去する⽬的で⼊⼒側とアースとの間につないだコンデンサがショートすると、⼊⼒からアースに⼤電流が流れてしまいます。

実際のコンデンサには抵抗となる成分*5があるため、ショートしたコンデンサは抵抗器のようになります。

図2 コンデンサがショートすると電流が流れて電荷を溜めることができなくなります。
図2
コンデンサがショートすると電流が流れて
電荷を溜めることができなくなります。

ショートしたコンデンサに電流が流れるとジュール熱が発⽣してコンデンサが発熱します。ジュール熱(Joule heat)の⼤きさは、抵抗値(R)と電流の⼆乗(I2)に⽐例しますので、⼤電流が流れる回路では発熱が⼤きくなってコンデンサから発煙する場合もあります。また発熱による温度上昇が急激に起こると外装が破壊されて、空気中の酸素と反応し発⽕に⾄る危険もあります。

ショート故障の要因

ショート故障が起こる原因として、定格を超えた電圧印加やリプル電流の通電、⾼温や⾼湿度下での使⽤があります。また有極性のコンデンサでは純交流電圧や逆電圧の印加もショートの原因になります。これらの要因は誘電体の耐電圧を低下させて絶縁破壊を招きます。

またコンデンサの誘電体はとても薄いため*6、コンデンサに過度な機械的ストレスがかかると誘電体が損傷してショートします。電気的な要因への配慮だけでなく、コンデンサに衝撃や振動が加わらない⼯夫も⼤切です。

特性変化

コンデンサは、最も基本的な性能である静電容量(C)のほかに等価直列抵抗(ESR)、誘電正接(tanδ)、絶縁抵抗、漏れ電流、耐電圧、等価直列インダクタンス(ESL)、インピーダンスなどの多くの特性を持っています。それぞれの特性には、JISやIECあるいは個別に規定された規格値があります。

しかし、経年劣化や定格を超えた使⽤や過酷な環境下での使⽤、機械的なストレスなどによって特性が変化して、電⼦機器の機能を低下させる場合があります。

特性劣化の要因

コンデンサの特性を劣化させる大きな要因は温度と電圧です。仕様を越えた条件で使われた場合には、著しく劣化が進んで寿命が短くなります。さらにコンデンサの寿命には、湿度や塵埃、雰囲気などの使用環境、動作の条件や基板実装、コンデンサの素材や構造などの様々な要因が影響します。

電解液漏れ

電解液を使用したアルミ電解コンデンサや電気二重層キャパシタ*7に見られる故障です。液体の電解質が筐体や封口部分から漏れ出して、コンデンサの機能が失われたり、配線基板をショートさせたり、他の部品に悪い影響を与えることもあります。

電解液漏れの原因は、主にショートや経年劣化による封口部の破損です。具体的な事例は「故障の現象と事例、要因と対策」でご紹介します。

無料進呈中! 【図解あり】コンデンサ故障の原因と対策事例 15選

故障の現象と事例、要因と対策

故障にはいろいろな現象があり、お客様からお寄せいただくご相談はさまざまな⾔葉で故障が表現されています(図3)。

コンデンサの故障を未然に防ぎ、より安全に使うためには、故障の要因と発生過程を適切に把握して対策を施すことが⼤切です。故障は単⼀の要因で発⽣することは少なく、さまざまな要因が複合的に作⽤して発⽣します。またコンデンサの種類によって、故障の要因と発生過程は異なります。

本項ではアルミ電解コンデンサとフィルムコンデンサの故障事例とその要因、根本原因、対策をご説明します。

図3 コンデンサの故障の主な現象
図3
コンデンサの故障の主な現象

① アルミ電解コンデンサ*8

アルミ電解コンデンサは⼩型で⼤容量が得られるため電源回路や電⼦回路には⽋かせない電⼦部品です。ほとんどのアルミ電解コンデンサは有極性であるため、通常は直流回路で使われます。

アルミ電解コンデンサの動作原理は化学反応を利⽤しており、別名ケミカルコンデンサとも呼ばれています。このためアルミ電解コンデンサの性能は温度や雰囲気などの環境に⼤きく影響を受け、急速な化学反応が起きることで故障が発⽣します。

事例1 過電圧でショートしたコンデンサから煙が出た

電源部の平滑に使っていたアルミ電解コンデンサの圧⼒弁*9が作動し、発煙しました。

図4 アルミ電解コンデンサの外観と圧力弁の例(スナップイン形の例)
図4
アルミ電解コンデンサの外観と圧力弁の例
(スナップイン形の例)
図5 圧力弁が作動した状態
図5
圧力弁が作動した状態
原因は?

図6のような⼊⼒電圧の変動によってアルミ電解コンデンサに過電圧が印加されてコンデンサがショートしました。

コンデンサに電流が流れて、発熱し電解液からガスが発⽣しました。

発⽣したガスによりコンデンサ内部の圧⼒が上昇して圧⼒弁が作動し、電解液がエアロゾル状に噴出しました。

図6 入力電圧の変動例
図6
入力電圧の変動例
対策は?

コンデンサに入力される電圧をご確認ください。
確認のポイントは、

  • 電圧変動していないか
  • 変動した電圧の尖頭値(Vtop)が定格電圧を超えていないか
  • 変動した電圧の負の尖頭値(Vbottom)がゼロを超えて逆電圧になっていないか
  • 尖頭値の変動幅(ΔV*10)が大きな値になっていないか

等です。電圧変動を⼗分にご確認の上、条件に合ったコンデンサをお選びください。

あわせてご注意ください

コンデンサが異常発熱すると、ショートが発⽣して最終的に発⽕する場合があります。また気化した電解液*11がエアロゾルのように噴出し、周囲に燃えやすい材料があると延焼することもあります。

事例2 コンデンサが過リプルで故障し、電解液が噴出した

インバータ回路のDCリンクに使っていたアルミ電解コンデンサが発熱して圧⼒弁が作動し、コンデンサから電解液が噴出しました。

原因は?

許容値を超えたリプル電流がコンデンサに流れ込み、コンデンサが設計値を超えて発熱しました。発熱により絶縁が低下してショート状態となり、電解液から発⽣したガスによりコンデンサ内部の圧⼒が上昇して、圧⼒弁が作動し、電解液がエアロゾル状に噴出しました(図7)。

対策は?

設計段階で想定されるリプル電流の⼤きさや波形が、コンデンサの仕様に合っているかをご確認ください。

コンデンサが許容するリプル電流と温度と周波数補正を考慮してコンデンサをお選びください。

図7 電解液の噴出(イメージ)
図7
電解液の噴出(イメージ)
あわせてご注意ください

リプル電流の許容値は、周囲温度、交流信号の周波数における等価直列抵抗(ESR)、主にコンデンサの表⾯積(放熱⾯積)で決まる熱抵抗,および適⽤される冷却によって決まります。リプル電流による温度上昇はコンデンサの故障に⼤きく影響します。コンデンサの選定にあたっては当社にお問い合わせください。

事例3 充放電回路のコンデンサが容量抜けになった

溶接機やストロボフラッシュのようなコンデンサの充放電が頻繁に繰り返される回路で、アルミ電解コンデンサの容量が短時間で減少しました。

原因は?

アルミ電解コンデンサには、アルミ箔の表⾯を酸化して誘電体を形成した陽極箔とアルミの陰極箔があります(図8)。

陽極箔部の容量C1と陰極箔部の容量C2は構造上直列接続になっていますので、コンデンサの容量(等価直列容量)は図9のようになります。

アルミ電解コンデンサに繰り返して充放電を⾏うと、陰極箔の表⾯で以下の反応が連続的に起こります。

【充電時】電解液の電気分解によるガス発⽣
【放電時】陽極箔の電荷が陰極箔に移動し陰極表⾯が酸化される

この結果、内部の圧⼒が上昇して圧⼒弁が作動した際のオープン故障が発⽣する、もしくは陰極箔の容量が低下することでコンデンサ静電容量が減少する等の故障を招きます。

この現象は充放電だけでなく、コンデンサに大きな電圧変動が印加される場合にも発生する場合があります。

図8 アルミ電解コンデンサの構造
図8
アルミ電解コンデンサの構造
図9 アルミ電解コンデンサの等価直列容量
図9
アルミ電解コンデンサの等価直列容量
対策は?

頻繁に充放電が繰り返される回路には、充放電回路に対応した仕様のコンデンサを使⽤してください。

あわせてご注意ください

容量の低下が⾒られたコンデンサはできるだけ早く交換してください。交換せずに使い続けると、電解液からガスが発⽣して、圧⼒弁が作動したりショートしたりする場合があります。

事例4 圧力弁が作動せず接地面から蒸気が噴出した

電源機器にスナップイン形アルミ電解コンデンサを使⽤しました。機器の薄型化のため、放熱板(ヒートシンク)とコンデンサ上部を密接させていました。

機器の異常時試験を実施するためにコンデンサに意図的に過電圧を印加したところ、コンデンサ上部にある圧⼒弁が作動せず発熱しました。その後コンデンサの接地面から電解液の蒸気が噴出しました(図10)。

図10 ヒートシンクが圧力弁を塞いだため圧力弁が作動せず、接地面側の封口部からガスが噴出した
図10
ヒートシンクが圧力弁を塞いだため圧力弁が作動せず、接地面側の封口部からガスが噴出した
原因は?

過電圧によりコンデンサがショートし、電流が流れて発熱しました。熱で電解液が気化しコンデンサ内部の圧⼒が上昇しました。圧⼒弁が作動せず、接地面にあったコンデンサの封⼝部から電解液のガスが噴出して基板の配線パターンをショートさせ、スパークが発⽣して発煙しました。

対策は

圧⼒弁が作動する要件と安全確保のための規定を⾒直し、必要なスペースを確保しました(図11)。また⼗分なスペースが確保できない場合には、コンデンサ側⾯に圧⼒弁を設けたタイプ(図12)をおすすめします。

図11 圧力弁が作動できるスペースを確保し、ヒートシンクには絶縁シートを設置しました。
図11
圧力弁が作動できるスペースを確保し、
ヒートシンクには絶縁シートを設置しました。
図12 コンデンサの側面に圧力弁を設けた製品があります。
図12
コンデンサの側面に圧力弁を設けた製品があります。
あわせてご注意ください

コンデンサの圧⼒弁の近傍には圧⼒弁が作動するのに必要な空間を設けてください。圧⼒弁が作動すると電解液の蒸気が噴出します。電解液は導電性であるため、配線及び回路パターンに付着すると回路がショートします。また作動した圧⼒弁が機器の筐体に接触すると⼊⼒電圧と筐体が繋がって地絡となる場合があります。

事例5 並列接続のコンデンサのひとつが故障した

リプル電流を除去するために同定格・同ロットのアルミ電解コンデンサを5個並列で使⽤していましたが、このうちのひとつのコンデンサが故障して圧⼒弁が作動しました。

原因は?

基板のレイアウト(部品配置)の制約から、故障したコンデンサは他のコンデンサから離れた位置に取り付けられていました。その位置には発熱部品が隣接していました(図13)。発熱部品の輻射熱によって、このコンデンサは他のコンデンサよりも⾼温にさらされていました。このため⽐較的短い期間で摩耗故障し、圧⼒弁が作動しました。

図13 回路動作時の基板の温度分布とコンデンサの位置
図13
回路動作時の基板の温度分布とコンデンサの位置
対策は?

コンデンサの取付配置を⾒直し、輻射熱の影響を軽減するための冷却⽅法を変更しました。⾼リプル電流に対応できる⻑寿命のコンデンサをおすすめします。

あわせてご注意ください

(1) リプル電流によってコンデンサは発熱します。発熱によるコンデンサの温度上昇が⼤きいほど、コンデンサの寿命は短くなります。複数のコンデンサを使う場合には、各コンデンサのESR、セット内の温度分布、輻射熱、配線抵抗にご配慮ください。*12

(2) 複数のコンデンサを使⽤する場合は、最も温度の⾼いコンデンサを基準にして寿命計算を⾏ってください。寿命を算出する時には、コンデンサ中⼼部温度(実測値)と周囲温度との差(温度上昇値)が許容範囲内であることを確認します。

(3) 他の部品に⽐べてコンデンサは⼤きく、熱に強い部品ではありません。このため、発熱部品や冷却ファンの位置や仕様、放熱グリルや導⾵板などの熱設計には⼗分にご配慮ください。必要な場合は当社にご相談ください。*13

事例6 コーティングしたコンデンサが故障した

振動対策や防水・防塵対策として、アルミ電解コンデンサの全周をコーティング材で被覆していました(図14)。使用中に電解液が漏れて基板の配線が短絡し、コンデンサが故障しました。

図14 コーティング材でコンデンサを被覆した状態
図14
コーティング材でコンデンサを被覆した状態
原因は?

アルミ電解コンデンサの電解液は、稼働中に蒸発しガスが封口ゴム(パッキン)を通じて大気中に放散されます。またアルミ電解コンデンサは圧力弁を備えています。

このため、コンデンサを樹脂などで覆ってしまうと、ガスの放散や圧力弁の作動を妨げてしまいます。

この事例では、コーティング材が圧力弁を塞ぎ、圧力弁の動作を阻害したことでコンデンサの封口部が破損し、電解液が漏れだしました*14。この結果、基板の配線が短絡しコンデンサが故障しました。

対策は?

コンデンサ全周をコーティング剤や樹脂で被覆しないでください。

当社のアルミ電解コンデンサのほとんどは、最大10Gの振動加速度を与える振動試験に耐えることができます。具体的な数値は各製品の仕様書をご覧ください。

特殊な振動試験が必要な場合には当社にお問い合わせください。

あわせてご注意ください

アルミ電解コンデンサにワニスや樹脂などを使用する場合は、それらの材料と溶剤(シンナー)や添加剤などがハロゲンフリーであることをご確認ください。またフラックスや洗浄剤は十分に乾燥させてください。

事例7 低温でアルミ電解コンデンサの特性が低下した

DCDCコンバータの低温作動試験で、出力電圧が低下する不具合が発生しました。

原因は?

DCDCコンバータの出力部分に電解液を使用したアルミ電解コンデンサが使われていました。

概ね-20℃以下の低温では、電解液の電気伝導度が低下して粘度が上がるため、容量が数十%低下し、周波数に対する応答性も悪くなり、等価直列抵抗も増大します。この結果、出力電圧の過渡応答性能が低下して所定の電圧が得られないことがわかりました(図15)。

図15 低温時のDCDCコンバータの出力電圧波形
図15
低温時のDCDCコンバータの出力電圧波形
対策は?

低温におけるコンデンサの容量・ESR・インピーダンスとその周波数特性をご確認いただき、適切なコンデンサをお選びください。図16、17に示すようなコンデンサのデータが必要な場合はお問い合わせください*15

図16 容量の温度特性例
図16
容量の温度特性例
*20℃における容量を基準とした変化率
図17 ESRの周波数特性、温度特性例
図17
ESRの周波数特性、温度特性例
あわせてご注意ください

品種によって下限の動作温度は異なりますので、ご注意ください。
使用温度範囲以内であれば、低温で特性が変化したコンデンサを常温に戻すとその特性は復帰します。ただし常温に戻す際に強制的に加熱することはしないでください。外観の異常や特性の低下が起きる場合があります。

事例8 アルミ電解コンデンサを長期保管したら特性が劣化した

保守部品として長期間保管していたアルミ電解コンデンサを使用したところ、コンデンサの漏れ電流が大きくなっていました。

原因は?

アルミ電解コンデンサは無負荷で(直流バイアスをかけずに)長期間保管すると、漏れ電流が大きくなる性質があります。この性質は保管温度が高いほど顕著に現れます。

これは、高温で誘電体の酸化皮膜が劣化し絶縁性が低下するためと考えられています。

この状態で電圧を印加すると漏れ電流が大きくなります。

図18 長期保存(イメージ)
図18
長期保存(イメージ)
対策は?

コンデンサの保管は、+5 ℃から+35 ℃、相対湿度75%以下で行ってください。

特に指定のない限り、当社のアルミ電解コンデンサは上記の条件で3年間無電圧で保管できます。保管期間内であれば、コンデンサは保管場所から取り出した後、そのまま定格電圧で使用することができます。

ただしはんだ付けで基板に実装するコンデンサでは、はんだ付けでの問題を防ぐために2年以内にコンデンサを実装してください*16

あわせてご注意ください

コンデンサが35℃以上の温度で保管されていた場合、または上記の期間を超えて保管されていた場合は、長期保存後の最初の充電時、または高温での短い充電時には漏れ電流が大きくなります。

ご使用前に適切に電圧を印加することで、電解液が劣化した酸化皮膜を修復して、漏れ電流を小さくすることが可能です。方法や条件に付いてはお問い合わせください。

事例9 アルミ電解コンデンサがスパークした

アルミ電解コンデンサの交換作業で、コンデンサの端子を金属でつないだところ、スパークしてオペレータを驚かせてしまいました。

図19 ネジ端子形アルミ電解コンデンサの端子の例(イメージ)
図19
ネジ端子形アルミ電解コンデンサの端子の例(イメージ)
原因は?

十分に充電されたコンデンサを短絡させて端子間の電圧をゼロにしても、その後短絡を解除すると(開放しておくと)、端子に再び電圧が発生します。これを再起電圧と呼びます。

充電されたコンデンサは、それぞれの電極に電荷が溜まっていますが、電極の電荷によって、誘電体の分子が双極子分極して電荷を蓄えています(図20a)。

コンデンサを放電すると、電極に蓄えられた電荷は瞬時に消滅して、端子間の電圧は見かけ上ゼロになります。しかし誘電体の双極子分極は維持されます(図20b)。

図20a 充電時の電荷の状態
図20a
充電時の電荷の状態
図20b 放電直後の電荷の状態
図20b
放電直後の電荷の状態
図20c 再起電圧の発生
図20c
再起電圧の発生

短い放電時間でコンデンサを開放すると、誘電体に残った双極子分極によって電極に電圧が再び誘起されます。つまり誘電体に蓄えられた電荷が染み出して端子に再起電圧を発生させます*17(図20c)。

この状態で端子を導体で短絡させたためスパークが発生しました。

対策は?

アルミ電解コンデンサの再起電圧*18は、充電した電圧の最大約10%の電圧が発生します。高耐圧のアルミ電解コンデンサでは40~50Vにもなることがあり、配線時にスパークしたり、半導体の破壊を招いたり、感電することもあります。

コンデンサを取り扱う前には100Ω~1kΩ程度の抵抗をコンデンサの端子間に接続させ、蓄積された電荷を放電させてください。

当社では、コンデンサを検査した後、放電してから出荷していますが、その後の納入までの間に再起電圧は発生している場合があるのでご注意ください。なお当社では、放電用のアタッチメントを端子に取り付けたり、放電用シートを同梱して出荷することも可能ですので、お問い合わせください。

あわせてご注意ください

通常、再起電圧の発生は1~3週間程度でピークとなり、その後徐々に電圧が低下します。これは誘電体が分極した状態が緩和されるためです。

事例10 水平に取り付けたアルミ電解コンデンサが破裂した

水平に取り付けられたネジ端子形アルミ電解コンデンサが、故障して封口部分が破裂しました。

原因は?

故障したネジ端子形アルミ電解コンデンサは、圧力弁が"6時の方向"となる水平に取り付けられていました(図21)。

図21 水平に取り付けられたコンデンサの模式図生
図21 水平に取り付けられたコンデンサの模式図生

コンデンサが劣化したり故障すると、コンデンサの素子温度が急激にあがり内部でガスが発生します。

このコンデンサには素子を固定する充填材が使われており、素子温度上昇にともなってこの充填材が軟化して流動し、圧力弁を塞いでしまいました。

この結果、スムーズな圧力弁の動作を妨げて、封口部分が開裂しました(図22)。

図22 圧力弁が塞がれ、封口部が開裂
図22 圧力弁が塞がれ、封口部が開裂
対策は?

アルミ電解コンデンサの圧力弁が"12時の方向"なるように取付方法を変更しました。さらに充填材を廃止して素子をリブで固定する構造*19を採用しました(図23)。

図23 対策後のコンデンサの模式図
図23 対策後のコンデンサの模式図
あわせてご注意ください

ネジ端子形アルミ電解コンデンサは端子部を上にする直立取付を前提に設計されています。端子部を下にした上下逆の取付はできません。コンデンサの寿命が短くなったり、液漏れやコンデンサの開裂など危険な破壊にいたる可能性があります。止む無く水平に取り付ける場合は、圧力弁もしくは陽極端子を上にして取り付けてください。

事例11 直列接続したアルミ電解コンデンサがショートした

直列接続したアルミ電解コンデンサがショート(短絡)しました。

原因は?

直列接続されたコンデンサ列(群)における漏れ電流は1つだけですが、コンデンサ列を構成する個々のコンデンサに負荷される電圧(Vn)は異なります。

Vnの大きさは個々のコンデンサの漏れ電流の大きさに依存します。コンデンサ列に漏れ電流の大きいコンデンサが含まれると、電圧のバランスが崩れて定格電圧以上の電圧にドリフトし、コンデンサが短絡することがあります。

このため、コンデンサを直列接続する際には個々のコンデンサに抵抗器(分圧抵抗)を並列接続させることが推奨されています。

しかし本事例では、個々のコンデンサの漏れ抵抗が大きく異なっていたため分圧抵抗が機能していませんでした。

図24 コンデンサの直列接続の等価回路
図24
コンデンサの直列接続の等価回路
対策は?

直列接続された個々のコンデンサの電圧分布を均一させるため、コンデンサの定格電圧を上げて漏れ電流の格差を小さくし、分圧抵抗値も見直しました。また同じ製造ロットのコンデンサを使用することで温度変化や電圧変動に対する漏れ電流の挙動を揃えました。これにより分圧の安定性を補助することができました。

あわせてご注意ください

分圧抵抗の選定にあたっては、定格電力を確認し、コンデンサを加熱しないように配置してださい。また抵抗の公差は±1%以内としてください。

② フィルムコンデンサ

フィルムコンデンサは、誘電体フィルムの⽋陥や集電電極の接合不良等が原因で漏れ電流が増加し、発⽕する場合があります*20。また蒸着電極形ではオープン故障の可能性もあります。

事例12 交流回路に直流用フィルムコンデンサを使い故障した

電源回路のフィルムコンデンサがショートして発火しました。

原因は?

交流回路に直流用の蒸着電極形フィルムコンデンサを使用していました。交流電圧の実効値とコンデンサの直流定格電圧*21はほぼ同じでした。このため、定格電圧を超える電圧がコンデンサに印加され続けて、コンデンサがショートして発火しました*22

対策は?

交流用フィルムコンデンサに変更しました。

コンデンサの定格電圧は、交流周波数、電圧波形、電圧変動、使用温度等を考慮して余裕度ある設定を行いました。

交流用フィルムコンデンサは、交流回路で使われることを前提したコンデンサで、その定格電圧は交流定格電圧です*23

直流用のコンデンサを交流回路で使用することはできません。直流電圧に交流成分を含む場合は、ピーク電圧よりも高い直流定格電圧のものを選ぶ必要があります。

あわせてご注意ください

フィルムコンデンサを高周波回路で使用とコンデンサが自己発熱します。自己発熱が大きいと故障する場合があります。周波数が高いほどフィルムコンデンサに流れる電流は大きくなるため印加できる電圧が小さくなります。

また図15のようなコンデンサを特殊な波形で使用する場合、波形によって実効値が異なるため、定格電圧の選定には注意が必要です。

図25 特殊な電圧波形と実効値の例
図25
特殊な電圧波形と実効値の例

事例13 コンデンサが容量抜けし、その後オープンになった

箔電極形フィルムコンデンサ(図26)を同定格の蒸着電極形フィルムコンデンサ(図27)に変更したところ、コンデンサがオープン故障しました。

原因は?

定格が同じでも蒸着電極形は箔電極形よりパルス許容電流値が⼩さく設定されています。これは箔電極よりも蒸着電極の⽅が抵抗が⾼く発熱が⼤きくなるためです。蒸着電極形に急峻なパルス電流や⾼周波電流を加えると、コンデンサが発熱して誘電体フィルムが熱収縮します。蒸着電極と集電電極(⾦属溶射により形成される⾦属層)との接合が損傷して接続が不安定になります。最終的には両者の接続が外れてオープンになりますが、⾼電圧が印加されるとスパークが発⽣して発⽕する場合もあります。

図26 箔電極形フィルムコンデンサの構造(無誘導型)
図26
箔電極形フィルムコンデンサの構造(無誘導型)
図27 蒸着電極形フィルムコンデンサの構造
図27
蒸着電極形フィルムコンデンサの構造
対策は

パルス電流の⼤きさは、容量と電圧の時間変化に⽐例し*24、コンデンサごとに許容値が規定されています。実際に印加される電流が許容値以下となるようにしてください。

許容電流計算式
あわせてご注意ください

⾼周波電流が流れるとコンデンサは⾃⼰発熱します。周波数ごとに規定された許容電流値以下でお使いください。ご不明な点は当社までお問い合わせください。

事例14 樹脂コーティングしたフィルムコンデンサが発⽕した

基板に実装したリード線形フィルムコンデンサを樹脂でコーティングしていました(図28)。

コンデンサ素⼦とリード線との接続部分がスパークして、コンデンサが発⽕しました。

図28 コンデンサを樹脂でコーティングした状態
図28
コンデンサを樹脂でコーティングした状態
原因は?

コーティングした樹脂が膨張と収縮を繰り返して、コンデンサに応⼒が加わりました。この結果コンデンサ素⼦とリード線との接続部分がストレスを受けて剥離し、電圧が印加されてスパークし、コンデンサが発⽕しました (図 29)。

図29 オーバーコートした樹脂の膨張収縮によりフィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
図29
オーバーコートした樹脂の膨張収縮により
フィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
図29 オーバーコートした樹脂の膨張収縮によりフィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
図29
オーバーコートした樹脂の膨張収縮により
フィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
対策は?

樹脂と基板との熱膨張の差が⼤きいとコンデンサに応⼒がかかります。オーバーコートする場合は、基板の熱膨張係数を考慮して樹脂を選択してください。

あわせてご注意ください

コンデンサを樹脂に埋設して固定するなどの特殊な実装をすると仕様を満たさなくなる場合があります。また振動でコンデンサが共振するとリード線や電極部が破断することがあります。

事例15 フィルムコンデンサから音が出た

電源を入れたところフィルムコンデンサから「ジー」「ピー」といった音が聞こえた。

原因は?

フィルムコンデンサは、極めて薄いプラスチックフィルムを巻き上げた構造です(巻回素子)。素子の両端は電極で固定されていますが、素体部分は固定されていないため振動しやすくなっています。

コンデンサに電圧が印加されると、電極間に作用するクーロン力によって誘電体であるプラスチックフィルムが機械的に振動し、うなり音が発生する場合があります*25。特に電源電圧に歪みがあったり、高調波成分が含まれる波形などでは高いレベルの音になります。

図30 蒸着電極形フィルムコンデンサの素子の構造
図30
蒸着電極形フィルムコンデンサの素子の構造
蒸着電極膜を付けたフィルムが積層した構造です。
対策は?

音の発生が連続的な振動音であれば、故障ではなく電気的特性・信頼性に影響はありません。長寸胴型や扁平型の素子を持つコンデンサほど音が大きくなります。音のレベルが許容範囲を超える場合や、散発的な破裂音であるなら、短寸胴型の「音鳴り対策品」を使用してください。

あわせてご注意ください

積層セラミックコンデンサに交流電圧を印加するとコンデンサそのものが伸縮し、結果として回路基板を面方向にスピーカのように振動させることがあります。振動の周期がヒトの可聴周波数帯域(20~20kHz)に一致したとき、音として聞こえます。コンデンサの伸縮は誘電体セラミックスの「電歪効果*26」が原因ですが、これを対策することは困難と言われています。

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付録 コンデンサの基礎知識

アルミ電解コンデンサの特徴と構造

特徴

アルミ電解コンデンサは、電気化学的な動作原理を応用した有極性で有限寿命のコンデンサで別名ケミカルコンデンサとも呼ばれます。

このコンデンサは、体積効率(単位体積当たりの静電容量)が高く、数千ミリファラッド(mF)の大容量が得られることや、大きなリプル電流に耐え、高い信頼性を持つなどの利点があり、幅広い用途の直流回路で使われます。

一方で、他のコンデンサに比べて、漏れ電流が大きい、容量許容範囲が±20%と広い、等価直列抵抗が高い、有限寿命であること等を考慮して使用することが必要です。

構造

アルミ電解コンデンサは、陰極に電解液を用いた湿式*27、導電性高分子などを用いた固体式、電解液と導電性高分子を併用したハイブリッド式の3種類に大別されます。

最も多く使われる湿式アルミ電解コンデンサは、電解液を含浸させたコンデンサ素子を外部端子と接続させてケースに封入しています。図31、32に代表的なアルミ電解コンデンサと素子構造を示します*28

図31 代表的なアルミ電解コンデンサの構造
図31 代表的なアルミ電解コンデンサの構造
図31 代表的なアルミ電解コンデンサの構造
図31 代表的なアルミ電解コンデンサの構造
図32 巻回形アルミ電解コンデンサの素子
図32 巻回形アルミ電解コンデンサの素子

フィルムコンデンサの特徴と構造

特徴

フィルムコンデンサは、誘電体に薄いプラスチックフィルムを使ったコンデンサです。フィルムコンデンサには極性がなく、特性の経時変化が少なく、自己インダクタンスやESRが小さく、絶縁抵抗が高いため高電圧での使用や電圧保持特性にも優れています。

このため、通信機器やDCリンクやIGBTスナバなどのパワーエレクトロニクス用途に広く使用されています。

一方で、誘電体となるフィルムの比誘電率が小さいため、コンデンサのサイズを小型化することが困難です。

一般的なフィルムコンデンサの静電容量は、1nFから100µF程度です。定格電圧は50Vから2kV以上のものまで製造可能です。フィルムコンデンサは、低損失・高効率で、長寿命です。

当社では、交流用・直流用のパワーエレクトロニクス機器用フィルムコンデンサを品揃えしています。

構造

ほとんどのフィルムコンデンサは、電極に金属箔や蒸着金属を用いています。所定の幅のリボン状に裁断した2本のフィルムを静電容量に応じて必要な長さでロール状に巻取ります。ロールの両端には錫などの金属を溶射によって吹き付けて集電電極を形成します(図33)。

生産量が多いタイプは蒸着金属を用いたコンデンサで、アルミニウムなどを蒸着した薄層を電極として使用しています。蒸着電極の数十ナノメートル(nm)で、フィルムの厚さ(ミクロン単位)に対して、巻回素子のスペースをほとんど取らないため、高いエネルギー密度を持っています。

また、誘電体に欠陥があるとその部分の蒸着金属が蒸発する自己修復作用があり*29、ごくわずかに容量を減少させて動作を継続させることができます。

図33 蒸着形フィルムコンデンサの素子
図33 蒸着形フィルムコンデンサの素子

コンデンサの故障モード

コンデンサの信頼度(故障率)は、図34に示す故障率曲線(バスタブカーブ)で表現されます*30

コンデンサのバスタブカーブは、
(1)コンデンサを使用(稼動)開始してから比較的早い時期に発生する初期故障*31
(2)その後長い使用期間にわたって発生する偶発故障*32
(3)コンデンサの本質的な寿命にともなって時間とともに増加する摩耗故障の三つの領域に分けられます。

図304 故障率曲線(バスタブカーブ)
図34
故障率曲線(バスタブカーブ)

初期故障が取り除かれて残ったコンデンサは安定して稼動します。ただし故障がゼロになるわけではなくランダムに故障が発⽣する場合があるため、この期間を偶発故障期間、故障を偶発故障とよび、この期間の長さがコンデンサの「実用耐用寿命」になります。偶発期間が過ぎると摩耗や劣化などによりコンデンサの寿命がつきる期間に入ります。この期間を摩耗故障期間、故障を摩耗故障と呼ばれております。

アルミ電解コンデンサでは使用時の環境温度や自己発熱によって電解液が蒸発するため、静電容量の減少、tanδ及び漏れ電流の増加等の故障が発生します。これらの故障は、計画的にコンデンサを交換することで予防することができます。

フィルムコンデンサではセルフヒーリングによる容量減少が代表的な故障モードあるため容量変化を把握することで寿命診断することが可能となります。

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終わりに

確かな技術に裏付けられた設計と管理されたプロセスで製作されたコンデンサを正しく使うことで回路の機能と信頼性を⾼めることができます。

当社のアルミ電解コンデンサの推定故障率は約0.3Fitであり⼀般的な半導体デバイスの約1/10の⽔準です。お客さまが開発・製造する機器の機能、性能、品質、信頼性及び安全性を確保するためには、お客様と当社が連携することによって可能となります。そのために当社は、コンデンサの品質、信頼性及び安全性向上のための設計及び製造上の施策を講じております。使⽤上の注意事項や制限事項について製品および関連書類に明示し、⽤途にふさわしい製品を推奨してまいります。お客さまにおかれましては機器が必要とする要件に適合した品質と信頼性をもつコンデンサを選択していただき、ご使⽤に当たってコンデンサが持つ能⼒以上のストレスを加えないこと、機器に安全設計及び安全対策を実施すること、機能、性能、品質、信頼性及び安全性の評価を使⽤前に充分に実施されることをお願い致します。

本報告書では、当社のコンデンサをより⾼信頼度でご使⽤いただくためにトラブルの事例をご紹介致しました。個々のコンデンサの具体的な注意事項については当社製品カタログや仕様書をご参照くださいますようお願い致します。

最後までご高覧いただきありがとうございました。ご不明の点がございましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。


監修/飯田 和幸
エーアイシーテック株式会社 ゼネラルアドバイザー

1956年埼玉県生まれ。
日立化成株式会社、日立エーアイシー株式会社にてコンデンサの製品開発と高機能化、コンデンサ用の金属材料や有機材料開発、マーケティング業務に従事。
広報誌、業界誌、各種便覧等にコンデンサに関する記事を寄稿。
2005年から2015年まで株式会社 日立製作所 技術研修所でコンデンサの使い方に関する講座を担当。
2020年よりエーアイシーテック株式会社 ゼネラルアドバイザー。

【主な寄稿・登壇実績】
  • 「タンタル電解キャパシタ」
    電気化学会編 丸善 電気化学便覧 第5版 15章 キャパシタ 15.2.4節 b (1998)
  • 「タンタル・ニオブコンデンサの開発動向と材料技術」
    技術情報協会セミナー 2008年6月
  • 「鉛フリー対応表面実装形フィルムコンデンサ MMX-EC, MML-ECシリーズ」
    日立化成テクニカルレポート 48号 製品紹介 (2007)
  • 「電子機器用フィルムキャパシタ」
    丸善 キャパシタ便覧 第5版 5章 フィルムキャパシタ 5.2項 (2009)
  • 「新エネルギー用大型フィルムコンデンサMLCシリーズ」
    新神戸電機株式会社 新神戸テクニカルレポート 22号(2012)