【図解あり】コンデンサ故障の原因と対策事例 7選

はじめに

コンデンサが壊れると電子機器が思うように動かなくなったり、 思わぬ事故につながったりしてします 。しかし、コンデンサの故障をゼロにすることはできません。

そこで本記事では約70年にわたりコンデンサを作り続けてきたエーアイシーテックが、コンデンサを適切かつ安全にお使いいただくためのコンデンサ故障の原因と対策事例を解説します。

目次


コンデンサにこんな症状が見られたら

コンデンサが故障すると、直流で電荷を溜めたり、ノイズやリプル電流を取り除いたりする基本的な機能を失います。最悪の場合にはコンデンサが発火して火災に至る危険もあります。

コンデンサが次のような状態になった場合は故障です。ただちに電源を遮断し、適切な対応をする必要があります。

  1. ケースが膨張している(膨らんでいる)
  2. ケースに亀裂がある
  3. ケースと封口部との間に隙間がある
  4. 圧力弁が作動した(圧力弁が開いた)
  5. ケースが破裂した
  6. 熱い、発熱している
  7. が出ている
  8. 液漏れしている
  9. 異音が出ている
  10. 異臭が出ている

また故障したコンデンサの外観に異常が見られなくても、コンデンサの取り扱いには注意が必要です。とくにコンデンサに残留した電荷による感電*1を防止する対策、電解液*2の付着や蒸気吸入を防ぐ対策は大切です。

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コンデンサのこわれ方(故障モードと要因)

コンデンサには主に以下の3つの故障モードがあります。

① コンデンサの抵抗(インピーダンス)が無限大になるオープン(開放)故障
② 絶縁がなくなり直流電流を通すショート(短絡)故障
③ 容量や損失などのコンデンサの特性が規格を超えて変化する故障

どの故障が起こりやすいかはコンデンサの種類によって異なります。アメリカIITRIの資料*3では、コンデンサごとの相対的な故障モードの発生を表のようにまとめています。また、マイカコンデンサやタンタルコンデンサでは使用開始から間もない期間で発生する初期故障が多く、アルミ電解コンデンサでは摩耗故障が起こるケースが多くなります。またフィルムコンデンサでは、一時的なショートが生じてもその欠陥を自己回復させて、引き続き動作する機能があります。

コンデンサごとの故障モードの分類と発生頻度(相対値)

オープン(開放)故障

コンデンサがオープン故障すると回路が完全に切り離されてしまいます。たとえば、電源の平滑回路に大容量のコンデンサを使うと大波のような電圧波形*4を平坦な直流電圧にできますが、コンデンサがオープンになると高い電圧が回路に印加されて半導体が故障する場合があります。

オープン故障の要因

オープン故障の原因は主に断線や抵抗の著しい増大です。これらはコンデンサ外部端子と配線との接続部分で多く発生します。

たとえば、コンデンサを基板に実装したとき、外部端子に強いストレスが加わると断線してオープンになる可能性があります(図1の赤で示した部分)。

図1 外部端子が断線した状態
図1 外部端子が断線した状態

またコンデンサの内部にある素子と外部端子をつなぐ内部の配線が切れたり、接続部分の抵抗が大きくなるとオープン故障になります(図2の赤の破線で示した部分)。

外部端子、内部の配線、構造はコンデンサの種類によって異なるため、さまざまなオープン故障のタイプがありますが、コンデンサ使用時のほか基板に実装する時や輸送時の振動や衝撃、機器の基板上への配置などにオープン故障の要因が潜んでいます。

図2 内部端子が断線した状態
図2 内部端子が断線した状態

ショート(短絡)故障

コンデンサがショート故障になる(図3)と容易に電流が流れて電荷を溜めることができなくなります。たとえばリプル電流やノイズを除去する目的で入力側とアースとの間につないだコンデンサがショートすると、入力からアースに大電流が流れてしまいます。

実際のコンデンサには抵抗となる成分*5があるため、ショートしたコンデンサは抵抗器のようになります。

図3 コンデンサがショートすると
図3 コンデンサがショートすると

ショートしたコンデンサに電流が流れるとジュール熱が発生してコンデンサが発熱します。ジュール熱(Joule heat)の大きさは、抵抗値(R)と電流の二乗(I2)に比例しますので、大電流が流れる回路では発熱が大きくなってコンデンサから発煙する場合もあります。また発熱による温度上昇が急激に起こると外装が破壊されて、空気中の酸素と反応し発火に至る危険もあります。

ショート故障の要因

ショート故障が起こる原因として、定格を超えた電圧印加やリプル電流の通電、高温や高湿度下での使用があります。また有極性のコンデンサでは純交流電圧や逆電圧の印加もショートの原因になります。これらの要因は誘電体の耐電圧を低下させて絶縁破壊を招きます。

またコンデンサの誘電体はとても薄いため*6、コンデンサに過度な機械的ストレスがかかると誘電体が損傷してショートします。電気的な要因への配慮だけでなく、コンデンサに衝撃や振動が加わらない工夫も大切です。

特性変化

コンデンサは、最も基本的な性能である静電容量(C)のほかに等価直列抵抗(ESR)、誘電正接(tanδ)、絶縁抵抗、漏れ電流、耐電圧、等価直列インダクタンス(ESL)、インピーダンスなどの多くの特性を持っています。それぞれの特性には、JISやIECあるいは個別に規定された規格値があります。

しかし、経年劣化や定格を超えた使用や過酷な環境下での使用、機械的なストレスなどによって特性が変化して、電子機器の機能を低下させる場合があります。

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故障の現象と事例、要因と対策

故障にはいろいろな現象があり、お客様からお寄せいただくご相談はさまざまな言葉で故障が表現されています(図4)。

コンデンサの故障を未然に防ぎ、より安全に使うためには、故障の根本原因(要因と故障の因果関係)を把握することが大切です。故障は単一の要因で発生することは少なく、要因が複合的に作用して発生する場合が多いためです。また、液体の電解質を使っているアルミ電解コンデンサと、金属蒸着膜とプラスチックフィルムからなるフィルムコンデンサでは、故障の根本原因が異なります。故障の現象はさまざまですが、現象の調査から根本原因を解析していくと、故障の現象はオープン・ショート・特性劣化に分類することができます。

本項では代表的なコンデンサの故障事例とその要因、根本原因、対策についてご説明します。

図4 コンデンサの故障の現象
図4 コンデンサの故障の現象

① アルミ電解コンデンサ*7

アルミ電解コンデンサは小型で大容量が得られるため電源回路や電子回路には欠かせない電子部品です。アルミ電解コンデンサの動作原理は化学反応を利用しており、別名ケミカルコンデンサとも呼ばれています。このためアルミ電解コンデンサの性能は温度や雰囲気などの環境に大きく影響を受け、急速な化学反応が起きることで故障が発生します。

事例1 コンデンサがショートして煙が出た

電源部の平滑に使っていた湿式のアルミ電解コンデンサの圧力弁*8が作動し発煙しました。

要因・故障の根本原因解析

入力電圧の変動によりアルミ電解コンデンサに過電圧が印加されてコンデンサがショートし、電流が流れて、電解液からガスが発生しました。発生したガスによりコンデンサ内部の圧力が上昇して圧力弁が作動し、電解液がエアロゾル状に噴出しました。

図5 アルミ電解コンデンサの圧力弁(基板自立形の事例)
図5 アルミ電解コンデンサの圧力弁
(基板自立形の事例)
対策は

コンデンサに入力される電圧をご確認ください。確認のポイントは、

  • 電圧変動していないか
  • 変動した電圧の尖頭値(Vtop)が定格電圧を超えていないか
  • 変動した電圧の負の尖頭値(Vbottom)がゼロを超えて逆電圧になっていないか
  • 尖頭値の変動幅(ΔV*9)が大きな値になっていないか等です。
図6 根本原因解析
図6 根本原因解析

電圧変動を十分にご確認の上、条件に合ったコンデンサをお選びください。

図7 入力電圧の変動
図7 入力電圧の変動
あわせてご注意ください

コンデンサが異常発熱すると、ショートが発生して最終的に発火する場合があります。また気化した電解液*10がエアロゾルのように噴出し、周囲に燃えやすい材料があると延焼することもあります。

事例2 コンデンサがショートして発熱し煙が出た

インバータ回路のDCリンクに使っていたアルミ電解コンデンサが発熱して圧力弁が作動しました。コンデンサはショート状態でした。

要因・故障の根本原因解析

許容値を超えたリプル電流がコンデンサに流れ込み、コンデンサが設計値を超えて発熱しました。発熱により絶縁が低下してショート状態となり、電解液から発生したガスによりコンデンサ内部の圧力が上昇して、圧力弁が作動し、電解液がエアロゾル状に噴出しました(図8)。

対策は

設計段階で想定されるリプル電流の大きさや波形が、コンデンサの仕様に合っているかをご確認ください。

コンデンサが許容するリプル電流と温度と周波数補正を考慮してコンデンサをお選びください。

図8 根本原因解析
図8 根本原因解析
あわせてご注意ください

リプル電流の許容値は、周囲温度,交流信号の周波数における等価直列抵抗(ESR),主にコンデンサの表面積(放熱面積)で決まる熱抵抗,および適用される冷却によって決まります。リプル電流による温度上昇はコンデンサの故障に大きく影響します。コンデンサの選定にあたっては当社にお問い合わせください。

事例3 コンデンサが容量抜けになった

溶接機やストロボフラッシュのようなコンデンサの充放電が頻繁に繰り返される回路で、アルミ電解コンデンサの容量が短時間で減少しました。

要因・故障の根本原因解析

このトラブルの根本原因を図9に示します。

アルミ電解コンデンサには、アルミ箔の表面を酸化して誘電体を形成した陽極箔とアルミの陰極箔があります(図10)。

コンデンサが異常発熱すると、ショートが発生して最終的に発火する場合があります。また気化した電解液*がエアロゾルのように噴出し、周囲に燃えやすい材料があると延焼することもあります。陽極箔部の容量C1と陰極箔部の容量C2は構造上直列接続になっていますので、コンデンサの静電容量(合成容量)は図11のようになります。

アルミ電解コンデンサに繰り返して充放電を行うと、陰極箔の表面で以下の反応が連続的に起こります。

充電時 電解液の電気分解によるガス発生
放電時 陽極箔の電荷が陰極箔に移動し陰極表面が酸化される

この結果、内部の圧力が上昇して圧力弁が作動した際のオープン故障が発生したり、陰極箔の容量が低下することでコンデンサ静電容量が減少する等の故障を招きます。

この現象は充放電だけでなく、コンデンサに大きな電圧変動が印加される場合にも発生する場合があります。

図9 根本原因解析
図9 根本原因解析
図10 湿式アルミ電解コンデンサの構造
図10 湿式アルミ電解コンデンサの構造
図11 コンデンサの構造上の静電容量
図11 コンデンサの構造上の静電容量
図11 コンデンサの構造上の静電容量
図11 コンデンサの構造上の静電容量
対策は

頻繁に充放電が繰り返される回路には、充放電回路に対応した仕様のコンデンサを使用してください。

あわせてご注意ください

容量の低下が見られたコンデンサはできるだけ早く交換してください。交換せずに使い続けると、電解液からガスが発生して、圧力弁が作動したりショートしたりする場合があります。

事例4 コンデンサから蒸気が噴出した

電源機器に基板自立形(スナップイン形)アルミ電解コンデンサを使用しました。機器の薄型化のため、放熱板(ヒートシンク)とコンデンサ上部を密接させました(図12)。

機器の異常時試験を実施するためにコンデンサに意図的に過電圧を印加したところ、コンデンサ上部にある圧力弁が作動せず発熱しました。その後コンデンサ下部の封口部側から電解液の蒸気が噴出しました(図13)。

図12 ヒートシンクがコンデンサの圧力弁を塞いでいた。
図12
ヒートシンクがコンデンサの
圧力弁を塞いでいた。
図13 圧力弁が開かず電解液が封口部から噴出
図13
圧力弁が開かず
電解液が封口部から噴出
要因・故障の根本原因解析

過電圧によりコンデンサがショートし、電流が流れて発熱しました。熱により電解液が気化し、コンデンサ内部の圧力が上昇しました。圧力弁が作動せず、コンデンサ下部の封口部から電解液のガスが噴出して基板の配線パターンをショートさせ、スパークが発生して発煙しました。

図14 根本原因解析
図14 根本原因解析
対策は

圧力弁が作動する要件と安全確保のための規定を見直し、必要なスペースを確保しました(図15)。また十分なスペースが確保できない場合には、コンデンサ側面に圧力弁を設けたタイプ(図16)をおすすめします。

図15 圧力弁が作動できるスペースを確保し、ヒートシンクには絶縁シートを設置しました。
図15
圧力弁が作動できるスペースを確保し、
ヒートシンクには絶縁シートを設置しました。
図16 コンデンサの側面に圧力弁を設けた製品がございます。
図16
コンデンサの側面に圧力弁を設けた製品がございます。
あわせてご注意ください

コンデンサの圧力弁の近傍には圧力弁が作動するのに必要な空間を設けてください。圧力弁が作動すると電解液の蒸気が噴出します。電解液は導電性であるため、配線及び回路パターンに付着すると回路がショートします。また作動した圧力弁が機器の筐体に接触すると入力電圧と筐体が繋がって地絡となる場合があります。

事例5 並列で使っていたコンデンサの1個が故障した

リプル電流を除去するために同定格・同ロットのアルミ電解コンデンサを5個並列で使用していましたが、このうちの1個のコンデンサが故障して圧力弁が作動しました。

要因・故障の根本原因解析

基板のレイアウト(部品配置)の制約から、故障したコンデンサは他のコンデンサから離れた位置に取り付けられていました。その位置には発熱部品が隣接していました(図17)。発熱部品の輻射熱によって、このコンデンサは他のコンデンサよりも高温にさらされていました。このため比較的短い期間で摩耗故障し、圧力弁が作動しました。

図17 回路動作時の基板の温度分布とコンデンサの位置
図17 回路動作時の基板の
温度分布とコンデンサの位置
対策は

コンデンサの取付配置を見直し、輻射熱の影響を軽減するための冷却方法を変更しました。高リプル電流に対応できる長寿命のコンデンサをおすすめします。

あわせてご注意ください

(1) リプル電流によってコンデンサは発熱します。発熱によるコンデンサの温度上昇が大きいほど、コンデンサの寿命は短くなります。複数のコンデンサを使う場合には、各コンデンサのESR、セット内の温度分布、輻射熱、配線抵抗にご配慮ください。*11

(2) 複数のコンデンサを使用する場合は、最も温度の高いコンデンサを基準にして寿命計算を行ってください。寿命を算出する時には、コンデンサ中心部温度(実測値)と周囲温度との差(温度上昇値)が許容範囲内であることを確認します。

(3) 他の部品に比べてコンデンサは大きく、熱に強い部品ではありません。このため、発熱部品や冷却ファンの位置や仕様、放熱グリルや導風板などの熱設計には十分にご配慮ください。必要な場合は当社にご相談ください。*12

② フィルムコンデンサ

フィルムコンデンサは、誘電体フィルム*13の欠陥や集電電極の接合不良等が原因で漏れ電流が増加して発火する場合があります。

事例6 コンデンサが容量抜けからオープンになった

箔電極形フィルムコンデンサを同定格の蒸着電極形フィルムコンデンサに変更したところ、コンデンサがオープン故障しました。箔電極形フィルムコンデンサを同定格の蒸着電極形フィルムコンデンサに変更したところ、コンデンサがオープン故障しました。

図18 箔電極形フィルムコンデンサ(無誘導形)の構造
図18 箔電極形フィルムコンデンサ(無誘導形)の構造
図19 蒸着電極形フィルムコンデンサの構造
図19 蒸着電極形フィルムコンデンサの構造
要因・故障の根本原因解析

定格が同じであっても蒸着電極形は箔電極形*14よりパルス許容電流値が小さく設定されています。これは箔電極よりも蒸着電極の方が抵抗が高く発熱が大きくなるためです。蒸着電極形に急峻なパルス電流や高周波電流を加えると、コンデンサが発熱して誘電体フィルムが熱収縮します。蒸着電極と集電電極(金属溶射により形成される金属層)との接合が損傷して接続が不安定になります。最終的には両者の接続が外れてオープンになりますが、高電圧が印加されるとスパークが発生して発火する場合もあります。

対策は

パルス電流の許容値はコンデンサごとに規定されています。ご確認いただき、実際に印加される電流が許容値以下となるようにしてください。電流の大きさは、容量と電圧の時間変化に比例します。*15

許容電流計算式
あわせてご注意ください

高周波電流が流れるとコンデンサは自己発熱します。周波数ごとに規定された許容電流値以下でお使いください。ご不明な点は当社までお問い合わせください。

事例7 コンデンサがスパークして発火した

基板に実装したフィルムコンデンサを樹脂でオーバーコートして使用していましたが、コンデンサ素子とリード線との接続部分がスパークしてコンデンサが発火しました。

図20 樹脂でオーバーコートしたフィルムコンデンサがスパークして発火
図20 樹脂でオーバーコートした
フィルムコンデンサがスパークして発火
要因・故障の根本原因解析

オーバーコートした樹脂が膨張と収縮を繰り返してコンデンサに曲げ応力が加わりました。この結果コンデンサ素子とリード線との接続部分が剥離し、電圧が印加されてスパークし、コンデンサが発火しました(図21)。

図21 蒸着形フィルムコンデンサのX線写真と模式図
図21 蒸着形フィルムコンデンサのX線写真と模式図
図21 蒸着形フィルムコンデンサのX線写真と模式図
図21 蒸着形フィルムコンデンサのX線写真と模式図
対策は

樹脂と基板との熱膨張の差が大きいとコンデンサに応力がかかります。オーバーコートする場合は、基板の熱膨張係数を考慮して樹脂を選択してください。

図22 オーバーコートした樹脂の膨張収縮によりフィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
図22 オーバーコートした樹脂の膨張収縮により
フィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
図22 オーバーコートした樹脂の膨張収縮によりフィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
図22 オーバーコートした樹脂の膨張収縮により
フィルムコンデンサと端子との接続部がストレスを受ける
あわせてご注意ください

コンデンサを樹脂に埋設して固定するなどの特殊な実装をすると仕様を満たさなくなる場合があります。また振動でコンデンサが共振するとリード線や電極部が破断することがあります。

無料進呈中! 【図解あり】コンデンサ故障の原因と対策事例 7選

終わりに

確かな技術に裏付けられた設計と管理されたプロセスで製作されたコンデンサを正しく使うことで回路の機能と信頼性を高めることができます。当社のアルミ電解コンデンサの推定故障率は約0.3Fitで、一般的な半導体デバイスの約1/10の水準です。

お客さまが開発・製造する機器の機能・性能,品質・信頼性及び安全性の確保は、当社とお客さまとの連携を進めることによってはじめて可能になります。

そのために当社は、コンデンサの品質・信頼性および安全性向上のための設計・製造上の施策を講じ、使用上の注意事項や制限事項を製品およびドキュメント類に表示し、用途にふさわしい製品を推奨してまいります。

お客さまにおかれましては、機器が必要とする要件に適合した品質と信頼性をもつコンデンサをお選びいただき、ご使用に当たってコンデンサが持つ能力以上のストレスを加えないこと、機器に安全設計・安全対策を実施すること、および機能・性能,品質・信頼性及び安全性の評価を使用前に充分実施することをお願いいたします。

このレポートでは,当社のコンデンサをより高信頼度でご使用いただくために,いくつかのトラブルの事例をご紹介いたしました。個々のコンデンサの具体的な注意事項は、カタログや仕様書をご参照くださるようお願いいたします。またご不明の点は当社までお問い合わせください。


監修/飯田 和幸
エーアイシーテック株式会社 ゼネラルアドバイザー

1956年埼玉県生まれ。
日立化成株式会社、日立エーアイシー株式会社にてコンデンサの製品開発と高機能化、コンデンサ用の金属材料や有機材料開発、マーケティング業務に従事。
広報誌、業界誌、各種便覧等にコンデンサに関する記事を寄稿。
2005年から2015年まで株式会社 日立製作所 技術研修所でコンデンサの使い方に関する講座を担当。
2020年よりエーアイシーテック株式会社 ゼネラルアドバイザー。

【主な寄稿・登壇実績】
  • 「タンタル電解キャパシタ」
    電気化学会編 丸善 電気化学便覧 第5版 15章 キャパシタ 15.2.4節 b (1998)
  • 「タンタル・ニオブコンデンサの開発動向と材料技術」
    技術情報協会セミナー 2008年6月
  • 「鉛フリー対応表面実装形フィルムコンデンサ MMX-EC, MML-ECシリーズ」
    日立化成テクニカルレポート 48号 製品紹介 2007年
  • 「電子機器用フィルムキャパシタ」
    丸善 キャパシタ便覧 第5版 5章 フィルムキャパシタ 5.2項 (2009)
  • 「新エネルギー用大型フィルムコンデンサMLCシリーズ」
    新神戸電機株式会社 新神戸テクニカルレポート 22号(2012)