コンデンサの技術用語集

コンデンサの技術用語集「た」

耐炎性passive flammability

コンデンサに外部の熱源を当てることに対する燃えにくさの度合い。

耐炎性カテゴリcategory of passive flammability

炎を規定時間当てた後の最大燃焼時間によって規定する耐炎性の分類。

耐候性カテゴリclimatic category

コンデンサが使用できる環境条件。IEC 60068-1によると、耐候性カテゴリは、55/100/56などの3組の数字の列で表され、
第1組の数字は、最低周囲温度(-55°C)。
第2組の数字は、最高周囲温度(+ 100°C)。
第3番の数字は、相対湿度が95%で温度が+ 40°Cの環境にさらされた場合、コンデンサが指定された制限条件下で耐えられる日数(56)を示す。

耐コロナ性corona resistance

電気絶縁材料のコロナ抵抗は、コロナ放電の劣化作用に耐える能力である。絶縁が即座に完全に破壊されない特定レベルの電界強化イオン化に耐える時間。

耐湿性moisture resistance

湿気などの大気中の水分に接しても、化学反応が起こらず特性が変わらず、変質し難い特徴。

体積抵抗volume resistance

体積抵抗とは、試験物の体積の抵抗値。体積抵抗には体積抵抗値と体積抵抗率がある。

体積抵抗値volume resistivitance value
記号・単位 RV

試験物の体積の抵抗値。記号はRV、単位は[Ω]。体積抵抗値RVは、電気抵抗Rと同じ。材料分野では電気抵抗を体積抵抗と呼ぶことがある。

体積抵抗率volume resistivity
記号・単位 ρV

試験物の単位体積(1cm3)当たりの体積抵抗値。記号はρV、単位は[Ω・cm]または[Ω・m]で表わす。抵抗率には表面抵抗率もあるが、単に抵抗率という場合には体積抵抗率のことを意味する。

大電流衝撃impulse

一方向性極性のサージ。

棚置き寿命shelf life

特定の条件下で、材料がその使用可能性を維持する時間の長さ。

端子間耐電圧Withstand voltage between terminals

T-T間耐圧(通称)。すべてのコンデンサに適用される端子相互間の耐電圧。
2端子を超える端子をもつコンデンサの場合は、コンデンサ素子の両端と接続されている二つの端子間が測定箇所になる。
JIC C 5101-1:2019(IEC 60384-1:2016) 4.6 耐電圧 参照

端子-外装間耐電圧Withstand voltage between terminals boundled and case

T-C間耐圧(通称)。非絶縁金属ケースの絶縁形の単素子及び多素子コンデンサに適用される内部絶縁の耐電圧。
全ての端子一括と金属ケースとの間の耐圧。
JIC C 5101-1:2019(IEC 60384-1:2016) 4.6 耐電圧 参照

タンタル電解コンデンサtantalum electrolytic capacitor

電解コンデンサのひとつで、タンタルを電解酸化したときにできる皮膜を誘電体とする。プリント基板の電流ノイズ除去などに使用。

直流コンデンサd.c. capacitor

本質的に直流電圧の用途に設計したコンデンサ。 直流コンデンサは、交流電圧への用途には適していない。

直列抵抗Series resistance

容量に直列に接続された抵抗。

DCバイアス特性DC bias

直流電圧を印加することによって静電容量が変化する現象。
高誘電率系コンデンサ特有の現象で温度補償用コンデンサでは殆ど起こらない。

DCリンクDC link

発電機などの交流出力を一旦直流に変換し、これをインバータでさまざまな周波数や電圧に変換して出力する方式。

定格温度rated temperature

定格電圧を連続して印加してもよい最高周囲温度。

定格交流電圧rated a.c. voltage

定格温度及び規定する周波数でコンデンサに連続して印加してもよい最高実効交流電圧。

定格交流負荷rated a.c. load

カテゴリ下限温度と定格温度との間の任意の温度で、コンデンサの端子に連続的に印加してもよい最大正弦波交流負荷。

定格静電容量rated capacitance

指定された条件におけるコンデンサの静電容量。

定格直流電圧rated d.c. voltage

定格温度でコンデンサに連続して印加してもよい最高直流電圧。 最高直流電圧は、コンデンサに印加する直流電圧と交流電圧又はパルス電圧のピーク値との和になる。

定格電圧Rated voltage
記号・単位 UR

電気機器を安全に使用するための最大電圧。

定格電圧の推奨値rated voltage rule

JIS Z 8601に規定するR10標準数列の10n倍(nは整数とする。)である。 R10標準数 1.0,1.25,1.6,2.0,2.5,3.15,4.0,5.0,6.3,8.3

定格パルス電圧rated pulse voltage

定格温度でコンデンサに連続して印加してもよい規定パルス波形をもつパルス電圧のピーク値。

定格パルス負荷rated pulse load

カテゴリ下限温度と定格温度との間の任意温度でコンデンサの端子間に規定するパルス繰返し周波数で印加してもよい最大パルス負荷。

定格リプル電圧rated ripple voltage

コンデンサを規定温度で、直流電圧に重畳して連続的に印加してもよい規定周波数での最大許容交流電圧の実効値。 注記 コンデンサに印加した直流電圧と交流電圧のピーク値との和が、適用する定格電圧又は温度軽減電圧を超えないことが望ましい。

定格リプル電流rated ripple current

コンデンサを規定温度で、連続的に印加できる規定周波数での最大許容交流電流の実効値。 注記 リプル電流が、コンデンサに印加するリプル電圧によって発生するため、コンデンサに印加する直流電圧と交流電圧のピーク値との和が、適用する定格電圧又は温度軽減電圧を超えないことが望ましい。

抵抗resistance

電位差によって生じる電流を決定する導体の特性。オームは抵抗の実用単位である。

デカップリング・コンデンサdecoupling capacitor

コンデンサが交流成分を通過させる性質を利用して、『直流成分+交流成分』から『直流成分』のみを取り出すために使用されるコンデンサ。

電圧voltage
記号・単位 V

起電力の単位。1アンペアの電流を1オームの抵抗に流すのに必要な電位差。起電力、電位、電位差、または電圧降下の代わりに最も頻繁に使用される用語で、2点間に閉回路を接続した場合に2点間に存在し、電流を流すことができる電気的圧力を指す。
導体に電流を流す力または電気的圧力。

電圧記号voltage code

定格電圧(耐圧)を下記のように数字とアルファベットを組み合わせた記号で表したもの。
定格電圧(記号) 4V(0G), 6.3V(0J), 10V(1A), 16V(1C), 25V(1E), 35V(1V), 50V(1H), 100V(2A)

電圧上昇dV/dt derating

単位時間当たりの電圧の上昇度合い。

電位potetial voltage

電荷に係る位置エネルギ。静電ポテンシャルともいう。

電荷charge

物体が帯びている「電気の量」。電荷の量を電気量という。

電界electric field

電荷が影響を受ける「場」のこと。「電場」ともいう。

電解液electrolyte solusion

コンデンサや電池で電極間の充填される導電性の溶液。

電界強度electric field intensity

電荷が「電界」の中で、どんな方向にどんな力を受けるのかをを表すベクトル量。

電解コンデンサelectrolytic capacitor

電極表面に化学的処理を加えることで絶縁体あるいは半導体の薄膜を形成し、これを誘電体とする。電解質を使用し、極性を持つ。プラス極の金属にできる酸化皮膜が誘電体。アルミニウム電解、タンタル電解コンデンサがある。

電解質electrolyte

溶媒の中に溶解したとき、陽イオンと陰イオンに電離する物質を言う。

電気抵抗率resistivity

材料のバルクまたは表面における電流の通過に対する抵抗力。体積抵抗率の単位はΩ・cm、表面抵抗率の単位はΩである。

電気二重層コンデンサelectric double layer capacitor

電極と電解液に境界に発生する電気二重層を利用したコンデンサ。コンデンサと二次電池の中間に位置する容量を持つ。

電極electrode

コンデンサに電流が出入りする導体。必ずしも金属である必要はない。

電気力線line of force

電界の説明で使われる仮想概念。正の電荷から始まり負の電荷で終わる力を表す。

電子electron

原子核の周回するマイナスの電荷をもつ素粒子。

電気伝導度electrical conductivity

体積抵抗の逆数。あらゆる材料の単位立方体のコンダクタンス。

電流current

電子の流れ。電子が導線の断面を1秒間に移動する流れのことである.自由に動くことができる電子を自由電子と言い、これが流れることで電流が発生している。

電流変化dI/dt derating

単位時間当たりの電流の下降度合い。

電力electric power
記号・単位 W

1秒間に電流がした仕事。1秒あたりの電気エネルギのはたらき。

電力量electric energy
記号・単位 Wh, J

電気エネルギの消費量の合計。

等価直列抵抗ESR

Equivalent Series Resistanceの略。交流回路でコンデンサを使用した場合の、抵抗成分の一つ。誘電体や電極などの損失により生じる抵抗。

動作温度operating temperature

コンデンサが定格仕様内で動作可能な温度範囲をいい、通常摂氏で示される。

動作電圧working voltage
記号・単位 Uop

最大定格温度での連続運転において、コンデンサに印加される最大直流電圧。

透湿性moisture permeability

フィルムや生地なとが水蒸気を透過させる性質。

導体conductor

電気をよく通す(自由電子の多い)物質。

導電性高分子コンデンサpolymer capacitor

導電性高分子コンデンサとも呼ばれ、電解質に導電性高分子を使ったコンデンサ。

トリマーコンデンサtrimmer capacitor

半固定コンデンサとも呼ばれ、必要なときのみ静電容量を調節することができる。