コンデンサの技術用語集

コンデンサの技術用語集「は」

バイパス回路bypass

電源ラインとグラウンドとをコンデンサでつないだ回路。回路が動作する際に直流電源の電圧が変動するのを避けることを目的としている。

ハイブリッドアルミ電解コンデンサhybrid aluminum capacitor

アルミ電解コンデンサの電解質に導電性高分子と電解液を併用させたもの。小型で高信頼が求められる、自動車関連の機器や通信基地局などに使われることが多い。

バックアップコンデンサhold-up capacitor

データの損失を防ぐため、停電時にバックアップ電源として機能するコンデンサ。

パルスコンデンサpulse capacitor

パルス電流又はパルス電圧で用いるコンデンサ。 IEC 60472に規定する用語の定義を適用している。

パルス等価回路pulse equivalent circuit of a capacitor

コンデンサの残留インダクタンス及び等価直列抵抗(ESR)と理想コンデンサとを直列接続で表す等価回路。 注記 パルス動作での等価直列抵抗(ESR)は、正弦波電圧で測定した等価直列抵抗(ESR)とは一致しないが、近似する。パルス等価直列抵抗は、パルス中の高調波での等価直列抵抗と周波数での損失変化とによって算出できる。
7 C 5101-1:2019 (IEC 60384-1:2016)

半固定コンデンサadjustable capacitor

必要に応じて静電容量を調節できるコンデンサ。トリマコンデンサとも呼ばれる。

半導体semiconductor

絶縁体と導体の中間の抵抗率を持つ材料。抵抗率は光、熱、電場、磁場によって変化することが多い。電子の移動だけでなく、正孔の移動によっても電流が流れることが多い。ゲルマニウム、硫化鉛、テルル化鉛、セレン、シリコン、炭化ケイ素などがその例。ダイオード、フォトセル、サーミスタ、トランジスタに使用される。

ピーエッチpH

pH(Potential Hydrogen)は水の性質を示す単位の一つ。pHは0~14の数値で表され、pH7を中性とし、7より小さい場合は酸性、大きい場合はアルカリ性となる。

ヒートシンクheat sink

高温の物体から熱を吸収・放出し、周囲の大気に放射する装置。

引裂き強度tear strength

シートやフィルムなどを引裂いた際の破断する強度。

比重specific gravity

物質の密度と標準物質である水の密度(固体液体の場合)の比。 (物質の密度)を(水の密度)で割った数値。

ヒステリシスhysteresis

物質の内部摩擦により、物質内の熱の発生を伴って、原因の大きさが増加するときと減少するときとで、結果として生じる量の大きさが異なる効果。電気ヒステリシスは、交流回路のコンデンサのように、誘電体材料が変化する電界にさらされたときに生じる。

非絶縁形コンデンサuninsulated capacitor

全ての端子と外装との間に規定する電圧(定格電圧以上)が印加できないコンデンサ。

引張強度tensile strength

測定試料を引張った際に破断する強度。

表面実装用コンデンサsurface mount capacitor

小さな寸法で端子の種類又は形状が、ハイブリッド回路及びプリント配線板での使用に適した固定コンデンサ。

表面抵抗値surface resistance
記号・単位 RS

試験物の表面の抵抗値。単位は[Ω]。表面抵抗値RSは、2つの電極間の表面に印加する電圧Vを流れた電流Iで除した値。

表面抵抗率surface resistivity sheet resistace
記号・単位 ρS

試験物の単位面積(1cm2)当たりの表面抵抗値。表面抵抗率ρSは、表面抵抗値に電極の幅Wを乗じ、電極間の距離Lで除した値。単位は[Ω/sq.]または[Ω/□]。ガラスやフィルム等の均一で薄い膜、シート状製品の導電性評価や検査では表面抵抗率ρSの測定が一般的に行われる。

表面放電surface flashover

絶縁体表面に沿って発生する放電。表面トラッキング とも呼ばれる。

ファミリfamily

電子部品において,主に特徴的な物理特性を表し、及び/又は規定する明確な機能を満たす部品群。

ファラッドfarad

コンデンサ(キャパシタ)の静電容量の単位。 記号は[F]。コンデンサに1Vの電位差を与えたとき1C(クーロン)の電気量(電荷)が蓄えられるとき、このコンデンサの静電容量は1Fである(1F=1C/1V)。

フィルムコンデンサfilm capacitor

プラスチック(高分子)誘電体で隔てられた2枚の金属板で構成されるコンデンサ。

封止encapsulation

電子部品・半導体などで外気に触れないように隙間なく素子を包むこと、またその技術。

腐食corrosion

酸化または化学的結合によって金属の表面を破壊する化学作用。

不導体insulator

→ 絶縁物を参照

部分放電partial discharge

部分放電(PD)とは、高電圧(HV)応力下における固体または流体の電気絶縁(EI)システムのごく一部の局所的な絶縁破壊(DB)(2つの導体間の空間を完全に埋めていない)のことである。

プラスチックフィルムコンデンサplastic film capacitor

誘電体にプラスチックフィルムを使ったコンデンサ。

フラックスflux

はんだ付け性を良好にする活性剤のことで、酸化被膜除去、及び熱電導効果がある。

ブレークダウンbreakdown (puncture)

ダイオードで逆方向に電圧を印加すると、ある電圧から急に電流が流れる。この現象をブレークダウン(降伏)と呼ぶ。

フローソルダリングflow soldering

浸漬方式と噴流方式があり、電子部品をプリント基板に挿入もしくは仮止めし、溶融はんだに浸漬もしくは噴流はんだではんだ付けを行う方法。

分極polarization

誘電体などに電極を設け電気を流した場合、分子内の電荷が正極(+)と負極(-)に分かれる現象。

平滑smoothing

リプルを抑え、電圧の変動を滑らかにすること。

平均故障間隔MTBF(Mean Time Between Failure)

ある製品が使用を開始してから、もしくは故障から回復してから、次に故障するまでの平均時間。

平均故障時間MTTF(Mean Time To Failure)

ある製品が使用を開始してから、故障するまでの時間。

ペーパーコンデンサpaper capacitor

誘導体に絶縁した紙を用いたコンデンサ。シリコン油などを紙に含浸させ、金属箔と交互に重ねたもの。絶縁破壊が生じると紙に穴があき、金属箔が蒸散して瞬時に絶縁を自己回復する作用をもつ。紙コンデンサとも呼ばれる。

ヘルツHertz

周波数を表すサイクル毎秒に代わる用語。

ポリイソブチレンpolyisobutylene

イソブテンの重合による長鎖状炭化水素によって構成された分子である。通常の条件下では極めて安定な物質であり、透明で不純物を含まない、無毒な高稠性を有する半固体状のポリマである。
組成が類似した材料に、イソブテンとイソプレンの重合物であるブチルゴム(Butyl rubber)がある。

ポリイミドpolyamide

繰り返し単位にイミド結合を含む高分子の総称であり、通常は芳香族化合物が直接イミド結合で連結された芳香族ポリイミドを指す。すべての高分子中で最高レベルの高い熱的、機械的、化学的性質を持つ。

ポリエステルpolyester

多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)とを反応させた縮合重合体である。合成繊維やペットボトルの材料として普及している。

ポリエステルフィルムコンデンサpolyester film capacitor

薄いポリエステルフィルムを両側から金属ではさみ、円筒状に巻き込んだもので、電極に金属箔を使ったものと、蒸着した金属皮膜を使ったものとがある。

ポリエチレンpolyethylene

エチレンを重合した最も単純な構造をもつ高分子であり、容器や包装用フィルムをはじめ、様々な用途に利用されている。耐薬品性、耐水性が高い特長がある。

ポリ塩化ビニルpolyvinyl chloride
記号・単位 PVC

塩化ビニール、塩ビ、ビニールなどと略される。軟質ポリ塩化ビニルは、ソフトビニール(Soft Vinyl)、ソフビとも呼ばれる。しかし「ポリ」または「樹脂」を略した呼称は、その原料である単量体の塩化ビニルと混同するため、単量体の塩化ビニルを特に塩化ビニルモノマ (vinyl chloride monomer, VCM)と呼んで区別している。

ポリ塩化ビニルアセテートpolyvinyl chloride acetate
記号・単位 PVCA

塩化ビニルと酢酸ビニルの熱可塑性コポリマ。電気絶縁体、クレジットカードなどに使用される。

ポリカーボネートpolycarbonate

熱可塑性プラスチックの一種。化合物名字訳基準に則った呼称はポリカルボナート。様々な製品の材料として利用されている。モノマ単位同士の接合部は、すべてカーボネート基 (-O-(C=O)-O-) で構成されるため、この名が付けられた。ポリカ、PCと省略されることもある。また、アクリル樹脂などと共に有機ガラスとも呼ばれる。

ポリ酢酸ビニルpolyvinyle acetate

無色透明の熱可塑性樹脂。
略号はPVAC。またはPVAも用いられるが、ポリビニルアルコールにも同じ略号が用いられるので注意が必要。

ポリスチレンpolystyrene

原油・ナフサを原料としたスチレンモノマを重合して作られる非結晶性の熱可塑性樹脂。スチロールとも呼ばれる。加工しやすく、形状再現性が良いので、電気製品、雑貨、食品容器など幅広い用途に使用されている。

ポリスチレンフィルムコンデンサpolystyrene film capacitor

ポリスチレンのフィルムを巻いて誘電体としたコンデンサ。数百kHz以下のフィルタ回路、積分回路、タイミング回路などに使用。スチロールコンデンサ、スチコンなどとも呼ばれる。

ポリフッ化ビニルpolyvinylidene floride

フッ化ビニルを重合した汎用フッ素樹脂の一種。熱可塑性を持ち、耐燃性・耐候性・染色性に優れる。

ポリプロピレンpolypropylene

プロピレン重合体の熱可塑性樹脂。汎用樹脂としては、耐熱性が高く、軽量で、強度も高く、耐薬品(酸、アルカリを含む)性に優れ、吸湿性が無い等の特長がある。

ポリプロピレンフィルムコンデンサpolypropylene film capacitor

誘電体にポリプロピレンを使用したコンデンサ。フィルタ回路や発振回路として使用。

ポリマpolymer

→ 高分子を参照